映画「ドント・ブリーズ」解説考察 老人の正体目的は?ロッキーの最後は?

今回2016年の映画「ドント・ブリーズ」です。
なめてた相手が実は殺人マシンでしたモノに分類される映画なのですがワケありすぎる老人の正体に戦慄するショッキングスリラーです。

この記事では、映画「ドント・ブリーズ」のレビュー見どころの紹介。そして、
この映画をより深く楽しむための解説考察をしています。
盲目の老人の正体や不良少女ロッキーの最後などネタバレ有で解説考察していきます。

ドント・ブリーズ(2016年)

2016年製作/88分/PG12/アメリカ
原題:Don’t Breathe
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント

あらすじ

強盗を企てた若者3人が、裕福な盲目の老人の家に押し入ったことから、思いがけない恐怖に陥る様を描く。親元を離れ、街から逃げ出すための資金が必要なロッキーは、恋人のマニーと友人のアレックスとともに、地下に大金を隠し持っていると噂される盲目の老人の家に強盗に入る。しかし、その老人は目が見えないかわりに、どんな音も聴き逃さない超人的な聴覚をもち、さらには想像を絶する異常な本性を隠し持つ人物だった。暗闇に包まれた家の中で追い詰められたロッキーたちは、地下室にたどり着くが、そこで恐るべき光景を目の当たりにする。

ドント・ブリーズ : 作品情報 – 映画.com

スタッフ・キャスト

監督:フェデ・アルバレス
製作:サム・ライミ
   ロブ・タパート
   フェデ・アルバレス
脚本:フェデ・アルバレス
   ロド・サヤゲス

出演:ジェーン・レヴィ
   ディラン・ミネット
   ダニエル・ゾヴァット
   スティーヴン・ラング

ドント・ブリーズ レビュー

死霊のはらわた」のサム・ライミが製作を務め、リメイク版死霊のはらわた」の監督だったフェデ・アルバレスが本作の監督という事で、ショッキングスリラーというカテゴリーながらホラー映画としても楽しめる作品になっています。
また、サイコパスな狂気の老人役は「アバターシリーズ」でマイルズ・クオリッチ大佐役のスティーヴン・ラングが演じています。
物語を要約すると、

窃盗に入った家の老人が盲目だからと言って舐めていたが、ものすごいサイコパスで殺人マシンだった。

という、話です。
途中までこの殺人マシーンに舐めた若者3人が成敗される話だと思って観ていたのですが、
想像を超える展開に驚きました。これはネタバレなしで見てほしいですね。

緊張化あふれる演出が見事

ホラー映画のプロフェッショナルが撮っているだけあって緊張感あふれるスリリングな内容になっています。
映画のタイトルである「Don’t Breathe(ドント・ブリーズ)」は直訳すると「息をするな」という意味で、タイトル通り映画を観ていて息が詰まりそうになります。
盲目の老人が窃盗に入った若者を物音を手掛かりに探すのですが、棚の下に隠れて丸わかりだけど目が見えないから気づかないというシーンがあり、まさしくゾンビ映画モノの演出のようで、目が見えない相手という制約を上手く利用した演出が面白いです。

盲目の老人ノーマン・ノードストローム

盲目の老人ノーマン・ノードストロームを演じたスティーヴン・ラングが怖いけどカッコいいという、この老人を見るだけでも楽しい映画です。
このキャラにハマれる人は絶対好きな映画じゃないでしょうか?
この座頭市のような老人はごっつい腕にタンクトップという明らかに只者ではない雰囲気を醸し出していてカッコいいのですが、
目が見えない人ならではの格闘シーンが見どころで、
音を頼りに相手の位置を探ったり、目が見えないから銃の照準も不正確で当たりをつけて銃撃するため当たりそうで当たらないという絶妙なさじ加減がいいですね。

総評

なめてた相手が殺人マシンでしたモノが好きな人なら必ず楽しめる本作。
老人の秘密が明らかになってからさらに物語はスリリングになり、最後まで緊張感あふれる映画でした。
88分という短い上映時間もちょうどよく、サックと楽しめる一本。

ただ疑問が残るのは老人が頑丈すぎるという事くらい。

ドント・ブリーズ 解説考察

ここからは「ドント・ブリーズ」をもっと楽しむために作品を深堀していきます。

結末、ラストはどうなった

老人宅から抜け出すことができたのは不良少女のロッキーだけでした。
老人の犬が追いかける中、来た時の車に逃げ込み、その中に犬を閉じ込めることで犬追跡を逃れることができますが、
犬の鳴き声で位置を把握していた老人に再度捕まってしまいます。
老人宅に連れ戻されてしまったロッキー。
この仕事の危険さを訴えていた友人アレックスの亡骸に向かって謝るロッキー。
そのロッキーの腕に停まった自身の幸運の印であるテントウムシ。その先には警備システムのリモコンがあるのでした。
ロッキーは最後の力を振り絞り警報システムを作動させ、アラームが鳴り響く室内で老人をバールでなぶり殺します。
ロッキーは老人の金100万ドルを盗み逃げ、妹ともにカリフォルニアに向かうのでした。

カリフォルニアに向かう空港のロビーで今回起きたことがニュースで流れているのに気づくロッキー。
強盗二人に襲われ反撃し強盗二人が死亡し、盗まれたものは無く、老人は怪我をしているがすぐに退院できると報じられていました。

不安を感じながらロッキーは妹とともに搭乗口に向かうのでした。

老人の正体

盲目の理由

老人が盲目になった理由は、イラク戦争で手榴弾の破片によるものでした。

 大金を持っている理由

老人の娘が交通事故で死亡したときの示談金でした。

地下室に監禁された少女 シンディー

老人が地下室に監禁していた少女は、娘を車で轢き殺した犯人でした。
金持ちの娘であるため、金の力で罪に問われることは無かった。

老人の目的

老人がシンディーを監禁していたのは単にシンディーに対する復讐ではありません
彼女を監禁していた理由は、亡くなった娘の代わりの子を妊娠させて生ますことで、シンディーは老人の子を妊娠しており9ヶ月目でした。
そのため、誤ってシンディーを撃ってしまい殺してしまったときに彼女を抱きしめていたのは、シンディーの為ではなくおなかの中の我が子を思ってのものでした。

ロッキーが生き残れた理由

ニュースで盗まれたモノは無いと報じられていました。
老人の犯罪行為を黙認してもらうために、大金の事は話さなかったのだと思われます。
盗まれたモノが無ければ、警察の捜査も早期に終了し、地下深くに埋められたシンディーにも気づかれずに済みます。
お互い利害が一致した結果でした。

銃を撃っても気づかれない理由

映画の舞台となった都市「デトロイト」はかつて自動車産業で栄えた都市でしたが、日本車やドイツ車の台頭で自動車産業が打撃を受け、多くの失業者を生みました。
職を失った人々がデトロイトを離れたことで多くの廃墟が生まれゴーストタウンで出来上がったのです。
そのため老人が住んでいる地域も周りは廃墟だらけで他の住人がいないため真夜中に銃撃しても通報されることがありませんでした。

アレックスがカギを持っている理由

アレックスの父親が警備会社に勤めており、父親のセキュリティーキーを持ち出すことができたためセキュリティーの掛かった家に忍び込むことができていました。
なぜ、父親が鍵を持っていたかというと、ホームセキュリティーは自宅に泥棒など異常があった場合に現場に駆け付け自宅を捜索してくれるサービスがあるためです。そのため利用者は鍵をセキュリティー会社に預けることになります。
今回の事件で息子が窃盗を働いていたことがバレてしまったので、鍵の管理ができていなかったアレックスの父親もクビになっているかもしれません。

豆知識「ブエナビスタ通り1837」

盲目の老人宅の通りの名前は「ブエナビスタ」と呼ばれ、スペイン語で「良い眺め」を意味します。
盲目の老人に対して皮肉めいたものでした。

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