今回の映画は人気携帯小説が原作の「カラダ探し」です。
今回の記事では「カラダ探し」のレビューや見どころを紹介し、さらに作品をより深く楽しむための解説考察をしていきたいと思います。
映画の結末や赤い人の正体などネタバレ有で解説考察していきます。
カラダ探し(2022年)
2022年製作/102分/PG12/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
あらすじ
7月5日、女子高生の森崎明日香は、校内でいるはずのない幼い少女と出会い、「私のカラダ、探して」という不気味な言葉をかけられる。不思議な出来事に違和感を覚えつつも、いつも通りの一日を終えようとしていた明日香。しかし、午前0時を迎えた瞬間、気が付くと彼女は深夜の学校にいた。そこには明日香の幼なじみで最近は疎遠になっていた高広と、普段は接点のないクラスメイト4人も一緒にいた。困惑する6人の前に、全身が血で染まった少女「赤い人」が現れ、6人を次々と惨殺していく。すると明日香は自室のベッドで目を覚まし、7月5日の朝に戻っていた。その日から6人は同じ日を繰り返すことになり、そのループを抜け出す唯一の方法は、とある少女のバラバラにされたカラダをすべて見つけ出すことだった。
カラダ探し : 作品情報 – 映画.com
スタッフ・キャスト
監督:羽住英一郎
脚本:土城温美
原作:ウェルザード
製作:原祐樹
古屋厚
出演:橋本環奈
眞栄田郷敦
山本舞香
神尾楓珠
醍醐虎汰朗
横田真悠
栁俊太郎
西田尚美
柄本佑
カラダ探し レビュー
本作「カラダ探し」は2011年の携帯小説が原作で、ジャンプで漫画化、アニメ化もされた人気シリーズです。
今回の映画版では主人公明日香役に橋本環奈、幼馴染役に眞栄田郷敦など注目の若手キャストが勢揃いしています。
青春スプラッターホラー
バラバラになった身体を探し出すまで永遠に深夜午前0時の学校にループし続け、毎晩毎晩謎の「赤い人」に追われ惨殺され続けるという、内容だけ聞くと非常に残酷で怖いですが、映画はそこまで怖くないのでホラー苦手な方でも怖いもの見たさで楽しめるのでは無いでしょうか?
この映画の賛否分かれるところでもあるのですが、主人公たちが毎晩惨殺されることに対して恐怖心があまりないのか日常パートが眩しいほど青春で、深夜の残虐パートの恐怖を和らげてしまっているように感じました。
ただ、淡々と物語が進んでいくので最後まで飽きずに観ることができました。
まるでゲーム感覚で、死んでもコンティニューできるという安心感が深夜のサークル活動感を醸し出してしまっているように感じ、
この映画は「何事にも死ぬ気で頑張れよ」というようなメッセージを伝えたかったのかなとも思ったりしました。
赤い人第二形態が怖い
身体のパーツも残り頭だけとなったところで、赤い人が第二形態に進化します。まるでシンゴジラのような目とガバッと空いた口で今度は主人公たちを食べ始めます。
食べられた人は次の朝もう存在しないという、コンティニュー不可のデスゲームに変化したところは、物語の要素的にも面白かったですね。
実際、原作者のウェルザードはオンラインゲームの要素も作品に盛り込んだと言っています。映画内で兼高もゲームをしていました。
ただ学校にチェーンソーがあるのかとかとか、早く棺桶に頭入れろよと言いたくなる主人公の行動など「?」になる部分はあるにせよ、デスゲームを攻略した後の解放感は爽快でした。
また、「赤い人」や「第二形態(エミリー)」「カラダのパーツ」など変な作り物感はなくかなりリアルに作りこまれているのは良かったですね。
この辺が安っぽくなってしまうと本当にダメな映画になってしまっていたと思います。
最後のオチが一番怖い
無事元の日常に戻って映画は終わるのですが、エンドロール後に続編を暗示するようなエピローグが流れるのですが、ここが一番怖かったです。
鑑賞後に爪痕を残すようで、映画は終わったけど恐怖はまだこれかだよと言わんばかりでした。
何だかんだ言って続編が出たら観たいなと思います。
総評
まるでコタツでアイスを食べているようなホラーで気軽に観れる青春ホラー。
「カラダ探し」という設定は面白く、もっとホラー要素強めにした方がよかったように感じる。
ジェットコースターのようにストーリーが展開するのでアトラクション感覚で楽しむには持って来いの映画。
しかし、スプラッター要素が苦手な方は注意です。
カラダ探し 解説考察
ここからは映画「カラダ探し」をより深く楽しむために作品を深堀していきたいと思います。
ネタバレを含みますので未見の方はご注意ください。
【結末】映画のラストはどうなった?
身体のパーツが残り「頭」だけとなり、「頭」を探す主人公たちは、以前プールで赤い人が持つ人形「エミリー」がプールの中に頭から沈んでいったのを思い出し「頭」が赤い人が持つ人形「エミリー」の中にあるのではないかと推測します。
巨大化したエミリーを捕らえるための罠で身動きがとれなくなったエミリーの頭を高広がチェーンソーで切り裂くと中から「頭」が落ちてきて「頭」を手に入れることに成功します。
「頭」を棺桶に入れるために礼拝堂にたどり着いた明日香と高広ですが、エミリーはまだ死んではいませんでした。
襲い来るエミリーを足止めするために自ら犠牲になる高広。明日香は食べられていった仲間たちの名前を思いながらエミリーに立ち向かい、エミリーを倒します。
最後、明日香が頭を棺桶に収めることで「カラダ探し」は終わるのでした。
7月6日の朝にもどり、TVのニュースで明日香たちの学校の古井戸から白骨化した頭部が発見されます。
明日香以外、記憶をなくしいつもの学校生活が始まるのですが、文化祭委員を決めるくじ引きで「カラダ探し」の参加者がまた集結することになるのでした。
記憶を失っていたはずの高広は「カラダ探し」の夜自分の事を忘れないために渡していたネクタイピンをきっかけに記憶を取り戻し、明日香の笑顔で映画は終わります。
そして、エンドロール後。
礼拝堂の古井戸の中に落ちている「別荘敷地で小2少女惨殺」の新聞記事が「遊園地内で小2少女惨殺」に変わり、
被害者の「小野山美子(8歳)」が「森崎明日香(8歳)」に変わるのでした。
主人公たちのその後は
エンドロールで、スタッフロールの横で映画のダイジェストが流れていました。
記憶を取り戻した高広たちは再び「カラダ探し」の日々のようにお互い友達になり青春を謳歌したという暗示だったのではないかと考察します。
また「明日香」の体を探すために「カラダ探し」が始まってしまうのですが、束の間のハッピーエンドといったところでしょか。
最後の新聞の意味
「別荘敷地で小2少女惨殺」の新聞記事が「遊園地内で小2少女惨殺」に変わり、被害者の「小野山美子(8歳)」が「森崎明日香(8歳)」に変わるのですが、
この遊園地について映画内で少し言及されています。
図書室で作戦会議するシーンで、明日香と高広が幼馴染であることが明かされます。そのときに高広が幼少期のエピソードとして明日香たちの家族と遊園地に行ったときの事を話そうとしますが、よほど恥ずかしい事なのか明日香が口止めをします。
明日香だけ記事の少女の写真に蛆が湧くのが見えたり、井戸から大量の手が伸びてくるのを見たりと初めから次の犠牲者は決まっていたのかもしれません。
赤い人の正体・名前・子役は?
赤い人の正体は別荘敷地内で惨殺された少女で名前は小野山美子(8歳)でした。
演じるのは安永星良(やすながせら)ちゃんという子役で不気味な歩き方などとても怖く演技もとてもうまかったですね。
映画内では別荘地で惨殺された少女としか語られませんが、原作では約50年前に学校の校舎が建つ前に起きた強姦バラバラ殺人の被害者という事になっています。
音に反応し、人外の怪力の持ち主で主人公たちを襲います。
ホラー作品のオマージュ
本作「カラダ探し」では様々なホラー作品のオマージュが観られます。
原作者のウェルザードが「リング」や「13日の金曜日」「エルム街の悪夢」の要素を取り入れたと言っており、映画内でもその要素が引き継がれています。
古井戸といえば「リング(貞子)」ですし、「エクソシスト」のスパイダーウォークもありました。
他にも様々なオマージュが散りばめられていそうですが、
ラストの鉄パイプでエミリーを倒す橋本環奈は「サイン」のホアキン・フェニックスがバットで宇宙人を倒すシーンのオマージュなんじゃないかなと思っています。
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