映画「アントマン&ワスプ クアントマニア」レビュー解説考察

今回はアントマンシリーズの最新作「アントマン&ワスプ クアントマニア」です。
アントマン3作目にして、マルチバース・サーガのフェーズ5の幕開けとなる本作はこれからのマーベル作品にとってとても重要な作品になります。
この記事では「アントマン&ワスプ クアントマニア」のレビューや見どころの紹介から、
作品をより深く楽しむための解説・考察。そして、初めて見る方やマーベル初心者の方でも楽しめるのか解説していきたいと思います。

アントマン&ワスプ クアントマニア(2023年)

2023年製作/125分/アメリカ
原題:Ant-Man and the Wasp: Quantumania
配給:ディズニー

あらすじ

「アベンジャーズ エンドゲーム」では量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、アベンジャーズとサノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。ある時、実験中の事故によりホープや娘のキャシーらとともに量子世界に引きずり込まれてしまったスコットは、誰も到達したことがなかった想像を超えたその世界で、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーンと出会う。

映画.com「アントマン&ワスプ クアントマニア」

スタッフ・キャスト

監督:ペイトン・リード
製作:ケビン・ファイギ
   スティーブン・ブルサード
脚本:ジェフ・ラブネス

出演:ポール・ラッド
   エヴァンジェリン・リリー
   ジョナサン・メジャース
   キャスリン・ニュートン
   デヴィッド・ダストマルチャン

アントマン&ワスプ クアントマニア レビュー

一作目の「アントマン」といえば私たち変わりない一般人であるスコットが縮小するスーツを着て戦うという、マーベル作品の中でも比較的スケールの小さい話でした。
ですが、3作目になった「アントマン&ワスプ クアントマニア(以下:アントマン3)」は目には見えない量子の世界ながらマーベル史上トップクラスに壮大なスケールになっていました。

量子世界に心躍る

誰も観たことがない量子世界とはどのような世界なのか想像もつきませんが、アントマン3ではその量子世界を見事に描き切っていました
量子世界はまるで宇宙のようで、ミクロの中にマクロな世界が詰まっているという世界観がとてもロマンあふれます。
その量子世界に登場する植物のようなものクリーチャー人間のような姿をした者たちまで様々な生物に溢れていて、我々が暮らす地球と同じように生命に溢れているという事がとても面白いと思います。
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーでも様々な銀河系の生物が登場しますが、それとはまた違う生命体の姿に目が惹かれます。
ゼリーのような生物生きている建物ロボットのような生命体などワクワクが止まりません。

量子世界に取り残されるという事はとても孤独なことと思っていましたが、こんな世界なら取り残されても楽しく生きていきていけそうな気がします。

家族の物語

アントマンシリーズで一貫しているテーマは家族愛です。本作でも変わらず家族愛が描かれていました。
ピムとジャネット」、「スコットとホープ」そして「スコットとキャシー」と3世代が繋がるというのも3作目だからこそできたことで、娘を思う視点から孫を思う視点まで様々な家族関係が描かれていることでよりストーリーに深みが出ています。
また、量子世界で増え続ける自分自身の可能性が増え続けるという、自分の思いを可視化した重要なシーンがありました。
キャラクターたちの絆の深さに感動するとともに物凄い映像体験でした。

総評

1作目2作目からは想像ができないほどスケールアップした本作は、正当なSF作品として完成度が高く3作目にふさわしい出来だと言える。
独創的な量子世界はロマンに溢れ、そこに登場するオリジナリティあふれるキャラクターたちも魅力的だった。
アントマンの一貫したテーマである家族愛も健在でヒューマンドラマとしても楽しめる。
ただ、1作目2作目のような等身大のヒーローがPEZを大きくしたりして戦う姿を期待していた人たちにとっては期待外れだったかもしれない。

フェーズ5の幕開けである本作は今後の展開においても重要な作品であることは間違いない。ぜひ劇場で観て新たな歴史の幕開けを体験してほしい。

見どころ

・量子世界の美しい世界観と独創的なキャラクターたち
・増殖するアントマンとワスプの共闘シーン
・アリたち活躍
・ミッドクレジットシーンとポストクレジット
 →すぐに帰らないように

アントマン初心者でも楽しめる?

マーベル作品といえば作品数の多さとそれぞれの作品が繋がっていることから、全くマーベル作品を観たことがない方にはハードルが高いように思えます。
ですが、「アントマン&ワスプ クアントマニア」は仕切り直しのフェーズ5の幕開けとなる作品で「アントマン&ワスプ クアントマニア」から見ても十分楽しめる造りになっていますが、あらかじめキャラクターたちの背景だけでも知っておいた方がより楽しめるでしょう。

復習するにはどの作品を観たらいい?

では、復習してから観に行きたい人向けに観ておいた方がいい作品をレベルごとに挙げていきましょう。

全力で楽しみたい方

1.アントマン
2.シビル・ウォー/キャプテンアメリカ
3.アントマン&ワスプ
4.アベンジャーズ エンドゲーム
5.ロキ

全力で楽しみたいならこの5作品を順番に観るのがおススメです。ロキはDisney+ (ディズニープラス)独占配信ですが、時間変異取締局というフェーズ5に向けた重要な概念が登場するので観ておくとより楽しめます。

時間が無い忙しい方

1.アントマン
2.アントマン&ワスプ

時間がない忙しい方は「アントマン」「アントマン&ワスプ」だけでも見直しておくといいでしょう。
メインのキャラクターたちの背景や1作目に登場したアイツの復活など、どんなストーリだったかうる覚えの方は飛ばし観でもいいので観ておいた方がいいでしょう。

パンフレットは買った方がいい

「アントマン&ワスプ クアントマニア」のパンフレットを買おうか迷っている方のためにお伝えすると、

パンフレットは買った方がいいです。

40ページを超えるボリュームで過去作のストーリーや登場人物、キャスト、スタッフのインタビューと読みごとたえ抜群です。
パンフレットを読めばもう一度鑑賞したくなること間違いなしです。
ただ欲を言えば量子世界のキャラクターたちの紹介も欲しかったですね。

【ネタバレ】アントマン&ワスプ クアントマニア 解説考察

ここからはアントマン&ワスプ クアントマニアをより深く楽しむために作品を深堀していきます。
ネタバレを含みますので未見の方はご注意ください。

結末ラストはどうなった?

故郷を追われた量子世界の住人達と高度な科学を築き上げたアリたちとの共闘で征服者カーンたちを抑え込みます。
ジャネットがエネルギーコアを使い元の世界へ戻るゲートを開け脱出するのですが、またもやカーンが登場しスコットはカーンを倒すために量子世界に残ります。
ゲート開いていられる時間が少なくなる中、元の世界から戻ってきたホープと共闘、エネルギーコアを使い征服者カーンを倒します。
ゲートが完全に閉じてしまった量子世界で二人は、量子世界の住人たちが勝利に歓喜する光景を眺めるのでした。
そして、その背後に元の世界へ戻るためのゲートがキャシーによって再び開きスコットたちも元の世界に戻ることができました。

ミッドクレジットシーン

ミッドクレジットシーンではその他のカーンたちが収集されたカーン評議会が行われていました。
ファラオのようなカーンなど様々な時代、次元のカーンたちが復讐に燃えるシーンで映画は終わります。
そして、ポストクレジットで今後の展開が語られます。

「カーンは帰ってくる」と。

クアントマニアの意味は?

クアントマニアとは「quantum(量子)」と「mania(熱狂者)」を合わせた造語です。

また、「quantumania」の綴りの中には「ant(蟻)」が含まれていたり、分解すると「ant-u-man」となり並び替えて「you antman」となります。
量子の熱狂者とはアントマンのことを指しているのかもしれませんね。

量子世界とは

量子世界とは亜原子レベルの世界で、物理法則は通用せず量子力学によって支配されています。

どれだけ小さいかというと、原子サイズ(1メートルの10億分の1)あるいはそれよりも小さい世界のことを言います。
映画内にも登場する微生物のクマムシが0.1㎜~1.2㎜でそのクマムシを構成する原子のサイズと考えると想像もつかない小ささであることが分かります。

本作の敵、征服者カーンとは

カーンとは量子世界を支配する征服者であらゆる時間や空間を移動することができます。31世紀の地球で生まれ様々な世界を破壊し征服するマーベル史上最強のヴィランと噂される人物。

2025年5月2日公開予定のアベンジャーズの最新作のタイトルは「アベンジャーズ:カーンダイナスティ」とのことでアベンジャーズの次なる敵である事が示唆されています。

モードックとは

アントマン1作目のヴィアンでピム博士の弟子だったダレン・クロス(イエロージャケット)の変わり果てた姿。頭部が肥大化しニコチャン大王のような姿をしていました。
原作の設定では人体実験の末に変異した姿でMental Organism Designed Only for Killing(殺人脳組織体の頭)の頭文字からM.O.D.O.K (モードック)と呼ばれています。

劇中では死んだように見えましたが果たしてそれは本当でしょうか?
この作品だけで退場してしまうには惜しいキャラクターなので絶対に生きていると信じたいです。
モードックは帰ってくる

量子世界の住人達「フリーダムファイターズ」

キャシーと共闘することになる女戦士ジェントーラ率いるレジスタンスは「フリーダムファイターズ」と呼ばれ、カーンによって故郷を追われた量子世界の住人たちで構成されます。

我々人間に似た姿をした心が読める黒人のような男は「クアズ」や頭からビームを発射するロボットのような奴は「ゾラム」と言います。
今回のお笑いキャラだったゼリー状で穴が欲しいアイツは「ヴェブ」でこのメンバーだけで一本の映画ができるほど魅力的でした。
高度な文明が発達した採掘都市アクシアから見れば我々のいる世界がミクロな世界なのかもしれませんね。

次回作はガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3

次回の劇場公開作品は待ちに待った「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー Vol.3」です。監督はもちろんジェームズ・ガンでG.O.Gシリーズ最終作と思われます。
詳しいあらすじは未公開ですが、こちらにもアントマンは登場するのでしょうか?
公開が待ち遠しいですね。

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